維管束植物は種数が多く、とくに個体数や自生地の数が少ない種を中心に現地調査を行って検討しています。第3版の作成では、県内の国立公園の新設や拡充により生育地の保全がすすんだことや絶滅が危惧されていた種が現地や標本の調査により再発見された例があった一方、採集や小規模な開発により絶滅の可能性が高まった種も少なからず確認されています。生育地が1箇所などきわめて局限された場所にしか確認されていない種も複数見つかっており、ジンヤクランやオリズルスミレのように、すでに開発により生育地が失われたり個体が消失してしまった絶滅種や野生絶滅種があります。
野生化ヤギによる影響が危惧される尖閣諸島では近年の上陸調査が行われていないこと、調査が行き届いていない無人島や小島嶼については今後の課題となっています。いまだ新記録種も多いことから、植物相調査といった基礎的研究を継続することも重要です。
近年、分子系統学の急速な発展による分類の見直しが進み、今後、種子植物は従来のエングラー方式からAPGIV(Angiosperm Phylogeny Group IV)、シダ植物はPPGI(Pteridophyte Phylogeny Group I)といった新しい分類システムによる見直しが必要となってくると思われます(第3版は新分類法に基づく科名を併記しています)。
Microsoft Excelアプリをご活用下さい。
android製品はコチラから ›
apple製品はコチラから ›
Copyright (c) 沖縄県環境部自然保護課 All rights reserved.