生きものいっせい調査

調査 ( ちょうさ ) 目的 ( もくてき )

沖縄 ( おきなわ ) 生物多様性 ( せいぶつたようせい ) のとても ( ゆた ) かな島です。ところが最近、もともといた生きもの( 在来種 ( ざいらいしゅ ) )が ( ) り、 よそから来た生きもの( 外来種 ( がいらいしゅ ) )が目につきます。 在来種 ( ざいらいしゅ ) は本当にいなくなったのでしょうか? 外来種 ( がいらいしゅ ) はどこまで広がっているのでしょうか?こんな、身近な自然の変化をみなさんに調べてもらおう! というのが「生きものいっせい 調査 ( ちょうさ ) 」です。

昔、アオカナヘビは、 沖縄島 ( おきなわじま ) では家の近くで見つかる身近な生き物でしたが、 最近は ( ) っているといわれています。こうした生き物が今どうなっているかを知ることで、身近な自然の変化について新しい発見があるかもしれません。身近な生き物や自然が、今どうなっているかを知るために、みんなの協力が必要です。

調査 ( ちょうさ ) 方法 ( ほうほう )

アンケート用紙

沖縄県内 ( おきなわけんない ) の小学校に 調査票 ( ちょうさひょう ) 配布 ( はいふ ) し、 夏休み 期間中 ( きかんちゅう ) に家や学校の周りで見つけた生き物を調べてもらいました。

フォトコンテストも 同時 ( どうじ ) 実施 ( じっし ) し、 生き物の写真と写真を ( ) った場所を教えてもらいました。

調査 ( ちょうさ ) 結果 ( けっか )

2021年の 調査の結果 ( ちょうさのけっか ) は、下のリンク先からダウンロードできます。 調査の結果 ( ちょうさのけっか ) のページからも見ることができます。


生き物をクリックすると 調査結果 ( ちょうさけっか ) が見れます。

琉球大学戸田研究室 ( りゅうきゅうだいがくとだけんきゅうしつ ) からのコメント】

今回で7年目となる「いっせい 調査 ( ちょうさ ) 」。 開始当初 ( かいしとうしょ ) よりも 参加児童数 ( さんかじどうすう ) ・学校数 ( がっこうすう ) が増え、なかには、ずっと 連続 ( れんぞく ) で回答してくれている学校もあります。この 調査 ( ちょうさ ) の目的の一つは、沖縄の未来を ( にな ) う小学生のみんなに身近にいる生き物に目を向けてもらい、沖縄に 特徴的 ( とくちょうてき ) な生き物の 存在 ( そんざい ) を知り、それらが置かれている 現状 ( げんじょう ) に関心を持ってもらおうというものです。この点で 回答者数 ( かいとうしゃすう ) 増加 ( ぞうか ) はよい 傾向 ( けいこう ) と言えます。とはいえ、いっせい調査への参加を ( ) 継続的 ( けいぞくてき ) に生き物を 観察 ( かんさつ ) し、いろいろと感じたり、考えてもらうことが大切です。そういう意味では、 参加児童数 ( さんかじどうすう ) だけでは ( はか ) れない、 個々 ( ここ ) の児童の生き物に関する 思考 ( しこう ) 深化 ( しんか ) も重要です。 学校全体 ( がっこうぜんたい ) では4〜6年生が対象のこの調査。毎年 卒業生 ( そつぎょうせい ) 排出 ( はいしゅつ ) することと ( あわ ) せ、学校としても 継続 ( けいぞく ) してもらうことの意味は大きいと思います。 本調査 ( ほんちょうさ ) のもう一つの目的は、生き物の 情報 ( じょうほう ) をみんなで集め、全体としてどうなっているのかを明らかにしていくというものです。それについても 成果 ( せいか ) が得られています。 本調査 ( ほんちょうさ ) の対象の中心であるアオカナヘビ類は、この調査によって、以外にも多くの地点でまだなんとか生き残っていることが分かってきました。 一方 ( いっぽう ) 、同じ緑色のトカゲでありながら 生態系 ( せいたいけい ) への 悪影響 ( あくえいきょう ) が心配されている 外来種 ( がいらいしゅ ) グリーンアノールについても 情報 ( じょうほう ) が集まっています。 現在 ( げんざい ) 那覇市 ( なはし ) 豊見城市 ( とみぐすくし ) 座間味島 ( ざまみじま ) の一部で数が増え、沖縄県や 環境省 ( かんきょうしょう ) が対策していますが、 拡散 ( かくさん ) を完全に食い止めることはできていません。 物資 ( ぶっし ) ( まぎ ) れた持ち運びも心配されており、 実際 ( じっさい ) に、うるま市や 八重瀬町 ( やえせちょう ) でもアノールが見つかっています。これらの地域でもこのトカゲが増えてしまえば、その 防除 ( ぼうじょ ) はいっそう難しくなるでしょう。いっせい調査により、みんなの目で 外来種 ( がいらいしゅ ) 動向 ( どうこう ) 監視 ( かんし ) し、その 拡散 ( かくさん ) をいち早く見つけて対策することができればよいと思います。今回、 調査対象 ( ちょうさたいしょう ) となった 外来種 ( がいらいしゅ ) のマングースについても、多くの 児童 ( じどう ) が目にしている 実態 ( じったい ) が明らかになりました。マングースのような 哺乳類 ( ほにゅうるい ) は、身近にいても、 関心 ( かんしん ) を持って見ないと、なかなか目に止まりにくいという 特徴 ( とくちょう ) があります。 回答者 ( かいとうしゃ ) ( ) めるマングースを見たという人の割合がある程度高いことは、 依然 ( いぜん ) としてマングースが多く 生息 ( せいそく ) していることを示す一方、 一定数 ( いっていすう ) 児童 ( じどう ) が、十分注意 ( ぶか ) く自然に目を向けていることを 反映 ( はんえい ) したものと 解釈 ( かいしゃく ) することもできます。今後もこの調査を通じ、多くの人が身の回りの生き物を見、考えていくことができればと思います。